303 CAFE

すみずみからさきざきまで

湯町窯エッグベーカーで目玉焼きがレベルアップ

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湯町窯のエッグベーカー

 

エッグベーカーと呼ばれる調理器具がある。

直火にかけられる蓋付の小ぶりな器で、格別においしい目玉焼きを作ることができる。

フライパンでつくった目玉焼きより厚みがあり、ゆで卵にも近い。

しかし、食べなれた目玉焼きやゆで卵よりずっと特別で、食卓では主役になってくれる。

日常の中で、この特別感を演出してくれることは、いい器の条件だ。

ゆっくり起きた休日の朝はこのエッグベーカーで作った目玉焼きで一日が始まる。

 

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この形、色がもうすでにおいしそう


我が家のエッグベーカーは島根県布志名焼湯町窯の小サイズ。丸みを帯びた形で、特徴的な黄釉と茶色のツートーンは器そのものを「おいしそう」に見せる。

このほかにも三重県伊賀焼でも作られているのを見かける。伊賀焼は今でも土鍋がよく焼かれ、湯町窯では昔火鉢がよく焼かれていたように、耐火性の強い土だからこそできる器なのだろう。

伊賀焼の土鍋についてはまた書きたい。いいものだから。

 

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卵と塩と胡椒だけでおいしい

  

必須の材料は卵だけ。

ここに好きなものをいくらでも入れればいい。

ほうれん草、ベーコン、きのこ、バター、オリーブオイル。卵に合うものなら何でも試せばいい。具を入れるときは卵の下に入れる。具に火を通しやすいし、食べるときに具は何だろうと宝さがしみたいになる。

今回は一番ベーシックに卵に塩と胡椒だけで作る。

 

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卵が外にこぼれないよう丁寧に

エッグベーカーに卵を割り入れる。

油はひかなくてもいい。もちろん味つけとして入れてもいい。

卵を割り入れるときは、本体側面に白身が垂れないように注意する。

垂れた状態で火にかけると取れない汚れになる

でも使っていればいずれ汚れていくので気にしすぎない。

うちのエッグベーカーはすでに黒い。

 

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小さいのでコンロのごとくで支えられない。網が必要

コンロに網を置き、その上に蓋をしたエッグベーカーを乗せ極弱火で5分くらい。

具をたくさん入れたらもっと長く、

やわらかいとろとろの状態が好きであればもっと短く。

火が強すぎると白身が泡立ち食感が悪くなる。弱火がコツだ。

火の加減、卵の大きさ、卵の温度、具の量、いろいろな要因で出来具合は変わるから、火にかける時間を一定にしても出来上がりは安定しない。5分というのはあくまで目安。

だから、たまに蓋を開けて火の通り具合を確認する。

ただし蓋は熱くなっているので、軍手とかをしたほうがいい。

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このくらい。黄身に火を通さない程度で火を止める

 

周りの白身が固まり、黄身にはまだ火が通らない程度。

ここで火を止める。

ただし火を止める直前10秒くらいは蓋を開けない。

なぜならこのあと余熱で黄身に火を通していくから、蓋を開けてしまうと熱が逃げてしまう。

 

余熱は5分くらい。

うまくできているか気になり、そわそわしながら待つ。

ソーサーに載せ、スプーンを添えて食卓に運ぶ。

このソーサーがセットであることもまたいい。

洗い物が増えるなどと言うのは野暮である。これに載せることにより、先ほどまでコンロの上の調理器具だったものが、食卓で料理を食べるための食器へと変わるのだ。

 

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余熱でしっかり火が通る

十分余熱できたら、(もしくは待ちきれず)蓋を開ける。卵の香りが漂う。

初めて食べる人はここで感嘆の声をあげる。

ただの目玉焼きに「うわー」などという人がいるか。エッグベーカーではそれが起こる。目玉焼きの朝ごはんがちょっとしたイベントになる。作ったこっちとしてはニヤリとする。

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塩と胡椒を振る

 

あとは、好みで塩や胡椒をかける、マヨネーズや醤油でもいい。なんでもいい。

 

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黄身が固まっているけど、色は透明感を残す程度。これが好き

硬く作れば食べ応えがある立派なおかずとなり、

やわらかく作れば、パンにつけるソースのように食べてもおいしい。

ちなみに自分の好みは、しっかり固まりながらも、黄身が琥珀のような透明感を保っている頃合い。

狙い通りの火の通り加減を作り出すには練習がいるが、どんな出来上がりでもおいしいのだからかまわない。

具の組み合わせ、火の通し加減でいくらでもバリエーションが増えるから、飽きることがない。

具入りのパターンについてもまたいずれ。